■解説文
明治のころから天皇を頂点とした国づくりをすすめてきた政府は、全国の学校で〈御真影〉(天皇・皇后の写真)を掲げ、〈教育勅語〉を奉読することを定めていました。国民を皇国の民として教育していく皇民化政策は、とくに沖縄や朝鮮・台湾などの住民にその理念がおしつけられました。天皇を中心とした家父長制確立のため皇民化教育の柱として、意味も理解できない小学校低学年の児童にも教育勅語を暗唱させました。また、宮城(皇居)や伊勢神宮にむかって遥拝も行われ、国民精神総動員実施要綱が決められ、「天皇に忠義をつくし国家のために身命を惜しむな」という〈尽忠報国〉のスローガンが掲げられ、国民を戦争にかりたてていきました。沖縄県でも国民精神総動員沖縄県実行委員会が結成され、3大スローガン(挙国一致・堅忍持久・尽忠報国)を掲げ、運動を実施していきました。 1940年には「紀元二千六百年式典」が国を挙げて取り組まれ、11月10日には東京の宮城前広場に5万人近くの人びとが集まり、全国各地の都市でもお祝いの式典がとり行われ、日本国中が「天皇陛下万歳」の歓声にわきたちました。 |