■解説文
日清戦争で勝利した日本は1894年4月、山口県の下関で清国との間で11か条からなる日清講和条約を締結しました。その主な内容は 1) 韓国が独立国であることを承認する 2) 遼東半島・澎湖諸島・台湾を日本に割譲する 3)2億両の賠償金を日本に支払う 4) 清国内の蘇州・杭州・重慶などの諸都市、および開市開港地 において日本が商工業活動を行うことを承認する 5)日清通商航海条約を西洋諸国と同じ条件で結び、日本の治外 法権・片務的協定税率を承認する などでしたが、ロシア・ドイツ・フランス三国の干渉で、日本は遼島半島を清国に還付することになりました。この戦争での日本軍の蛮行は海外に伝わっていましたが、日本の国民は大国〈清国〉に勝利したことに歓喜し、挙国一致の戦時体制にくみこまれ、強大な軍事力と近隣諸国への侵略が始まろうとしていることに目を向けた人たちは少なかったのです。大日本帝国が破綻する1945年まで、何度も 戦争を繰り返したのです。 |