■解説文
読谷村の南西に位置し、楚辺、渡具知、古堅、大湾、大木の土地にあります。面積は1979千平方mで、地主は867人、年間の賃貸料は11億1千万円になっています。施設内には部隊事務所、食堂、兵舎、機材倉庫、教育センター、売店、ランドリー、教会、映画館、消防署、郵便局、図書館、診療所、銀行、体育館、ボーリング場などの建物やアンテナ、野球場、プール、海水浴場(トリイビーチ)、テニスコートなどの工作物があります。 読谷村の南西に位置するこの施設は、西太平洋地域における戦略通信網の最重要施設で、社会主義国等の放送、通信、暗号等は全て傍受され、施設内の統合分析センターで整理分析されていたといわれています。 同施設では、昭和48年3月1日から6ヶ月の工期で、長さ約130メートルのコンピューター地下ケーブルが敷設され、アンテナ群も新しく取りかえられ、施設の増強工事が実施されました。さらに昭和51年7月頃にはタイの通信施設に配備されていた部隊が移駐し、同施設の機能が強化されたといわれています。このため同施設には、鉄塔型アンテナや棒状型アンテナ等が林立していて、部隊事務所、統合分析センター、兵舎、その他通信施設を運営するために必要な設備が完備されています。通信施設の管理地区は二重フェンスに囲まれ、立ち入りが、厳重にチェックされています。 昭和61年9月に陸軍第10地域支援軍司令部が牧港補給地区から移駐してきたことにより、在沖陸軍の上級司令部となりました。司令部は、在沖米陸軍全ての部隊に対し、管理、兵站、財務の支援を行っています。 昭和59年、同施設に第一特殊部隊(グリーンベレー)が昭和49年以来再配備されました。同部隊は、施設に隣接する読谷補助飛行場において、パラシュート降下訓練を実施しているほか、北部訓練場、キャンプ・シュワーブ、キャンプ・ハンセン等で訓練を実施している実践部隊です。また、同盟軍の支援、訓練の補助等のほか災害出動等幅広い活動を行っています。 陸軍宇宙軍が防衛衛星通信システムを担当することになったのに伴い、平成2年10月、第1140通信大隊の要員、物資の一部が同施設に移動し、合衆国陸軍宇宙軍(USASPACE)の移動通信衛星管制ターミナルトリイ通信施設分遺隊が形成されました。陸軍宇宙軍の機能は、合衆国宇宙軍を支援し、防衛衛星通信システムを統率・管制し、戦略防衛システム(SDS)及び対通信衛星用武器を企画・試験することなどで、トリイ通信分遺隊は、太平洋軍の戦術部隊支援用の戦術通信衛星ターミナルが適切に利用できるように24時間防衛用通信衛星を調整・運用・管制しています。 |