■解説文
細やかな点と線の幾何学模様で可憐な花を織りだしている読谷山花織は、15世紀初めごろ、琉球の大交易時代に東南アジアから長浜(読谷村)に伝わったといわれています。特殊な織りの方法から、インドを含めた南方的な色彩が強く、南蛮貿易が盛んなころに伝来したと考えられています。「読谷山花織」は綾織の一種で浮織です。まさに、海のシルクロードを渡ってきたのです。白・赤・黄・緑等の糸で織り出されている紋織は花の様に美しく、情熱の織物として知られています。明治の半ばに技術が途絶えましたが、戦後年配者の記憶をたよりに織物の技術者たちで復興させました。現在は読谷山花織事業協同組合も設立され、通産大臣指定の伝統的工芸品となり、国の重要無形文化財に指定され、その保持者として與那嶺貞さんが「人間国宝」に認定されました。 |