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Kajimai - Yomitanson Gallery

Yachimun / Glass Location at Yomitan Village

炎の風

無機質な土の塊が、ガラスの塊が、炎の風の中で命を吹き込まれ、形あるものに生まれ変わる。やちむんと琉球ガラスは、炎が生み出す芸術だ。

沖縄では陶器、あるいは陶芸のことを「やちむん」と呼ぶ。読谷村には今から300年前余り前のものとされる喜名焼(きなやき)の古窯跡がある。近くには湧水、燃料としての薪、粘土が豊富にあり、読谷では古くからやちむんがつくられていたのだ。その後、喜名焼の歴史は途絶えてしまったが、1972年、のちに沖縄初の人間国宝となる壺屋焼(つぼややき)の金城次郎氏が読谷村に工房を移したのを機に、多くの陶工たちが読谷に集まってきた。現在、村内には50余りの窯元がある。

工房の中に、溶解炉の炎の音が響きわたる。灼熱の炎に溶けたガラスの塊に、職人が息を吹き込み、器の元が生まれる。室温に触れるとすぐに固まろうとするガラスを思いどおりの形にできる時間は限られている。経験とひらめきが融合する技。宙吹ガラスの創作は炎と時間との戦いだ。