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Kajimai - Yomitanson Gallery

Hanaui / Bingata Location at Yomitan Village

色彩の風

色糸が織りなす繊細な読谷山花織の色、沖縄の光の中で、さらに鮮やかさを増す紅型の色。遠い昔、アジアから渡ってきた色彩の風が読谷にも吹いている。

琉球王国時代、中国や東南アジア諸国との交易の中で、読谷山花織のルーツとなる絣や浮織の技法も伝来した。その技法を元に琉球王府時代には読谷山花織として独自に織られ、受け継がれてきた。しかし、その染織技術は明治時代の中頃から時代の波に押されて衰退し、戦後は人々の記憶からも忘れ去られていた。1964年、絶滅寸前となっていた読谷山花織は、読谷村の情熱ある有志によって約90年ぶりに復活した。当初は愛好会から、読谷山花織事業協同組合の組織へと発展。現在では沖縄県指定無形文化財、経済産業大臣指定伝統的工芸品として、全国に多く知られるようになった。

誰もが惹きつけられる独特で鮮烈な紅型の色。それは日差しの強い沖縄の風景のコントラストを表現しているとも言われている。今から500年ほど前に琉球王朝の時代に始められた紅型は、もともとは王族・貴族のための着物で、色柄にも決まりがあった。黄色は王族の色、花鳥だけの模様や花鳥に鳳凰、龍を配した大柄のものは王属専用。こうした紅型は特別に「首里型」とよばれた。その後、庶民の晴れ着として紅型が着られるようになると「那覇型」という小柄の紅型が現れた。模様は沖縄にはない自然のモチーフや、京友禅に影響を受けたと思われる桜、松、鶴亀、扇。これらの模様を立体的に見せるために「隈取り」を施すのも、紅型独特の技法だ。