誰もが惹きつけられる独特で鮮烈な紅型の色。それは日差しの強い沖縄の風景のコントラストを表現しているとも言われている。今から500年ほど前に琉球王朝の時代に始められた紅型は、もともとは王族・貴族のための着物で、色柄にも決まりがあった。黄色は王族の色、花鳥だけの模様や花鳥に鳳凰、龍を配した大柄のものは王属専用。こうした紅型は特別に「首里型」とよばれた。その後、庶民の晴れ着として紅型が着られるようになると「那覇型」という小柄の紅型が現れた。模様は沖縄にはない自然のモチーフや、京友禅に影響を受けたと思われる桜、松、鶴亀、扇。これらの模様を立体的に見せるために「隈取り」を施すのも、紅型独特の技法だ。