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読谷村の形は東シナ海へまさに飛び立とうとする瞬間の鳥の形に似ている。東の山々は飛翔する力を蓄えた羽。嘴には珊瑚の花蔓を咥え、海の彼方のニライカナイから訪れる嘉利吉(かりゆし)を迎える。それは、読谷村民の夢と希望を抱き21世紀を羽ばたく鳳の姿。風に乗り、海に向かう、永久(とわ)の平和を願いながら。
2011年、読谷村の人口は4万人を突破し、2014年には日本一人口の多い村となった。静かな佇まいが広がる田園には、4万の笑顔、4万の肝心(ちむぐくる)がきらめいている。飾り気のない大らかな気風が、訪れる人を温かく包み込む。鳳は4万人の村民をその翼にのせている。
あの日、サトウキビ畑の向こうに広がる海から、戦(いくさ)がやってきた。飛び交う砲火、逃げ惑う人々、またたく間に、村は燃え、多くの命が失われた。この悲劇を二度と起こしてはならない。憲法9条を刻んだ石碑は、村民の平和を願うシンボルなのだ。