Kajimai - Yomitanson Gallery

detail_backButton

民話

ナービナクーと天モーモー

むかし、各地域に鍬などを造る鍛冶屋が置かれていて、宇座の部落には公事鍛冶屋(くーじかんじゃーやー)という鍛冶屋がいました。屋号を「ナービナクー」といって、鍋の底にあいた穴も修繕していたそうです。

しばらくして、その鍛冶屋が亡くなると、宇座の部落では、盆、正月にはご馳走を供えたりして拝んでいました。鍛冶屋には、木札に大きな一合枡くらいの琉球の大様の判子が押された鑑札(かんふだ)もあったということです。

それから、宇座で地頭をやっていた与久田の屋敷跡には、天から落ちてきたという大きい石があるのですが、その石が牛に似た形をしているので「ティンモーモー」と呼んでいたました。

ティンモーモーは、百姓が鍬や鎌を研ぐ砥石として使われていたので、今でも研いだ跡が残っています。その石は盗むと祟りがあるといわれており、誰も盗む人はいなかったそうです。